パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー


私たちは、なぜ事業をしているのでしょう。あるいは、なぜ仕事をしているのでしょう。
「そりゃ、家族を養わなければならないし、お金が必要だから」、そんな答えをする経営層は現代においてはいないでしょう。社会の中で企業を存続し続けるためには利己的な主張ではなく多くの人々に共感をされ、ともに事業をおこなう仲間からは前進するための原動力となる理念を、事業体あるいは会社に求められるようになります。
そこで、経営者が会社の体裁を整えるひとつの手段としてパーパス・ミッション・ビジョン・バリューを明文化するということがあります。とてもいいことです。自社の顕在化できていなかった文化や考え方を、言葉を通じて多くの人と分かち合うのです。特に従業員には社長の意識を共有してもらい、社長のように考えて行動してもらいたいと考えることは経営者の本能であり願いでもあります。
その結果、パーパス・ミッション・ビジョン・バリューはどうなったでしょう。成熟した企業、多様化した社会や価値観の中で戦う企業ではなく、多くの一般企業(中堅企業・中小企業)のホームページを拝見すると、結構他社のものをコピーペーストしたのではないかと思うくらい似たようなことを述べています。これなら会社の文化をよく知らないAIでもすぐに書いてしまうような内容です。こんなものを作るのに時間とお金をかけてホームページで知らしめるのなら、歴代の社長が額にいれて壁に掲げていた「誠実」の方が、意義があるかもしれません。パーパス・ミッション・ビジョン・バリューが会社独自の意味と方向性を持たなければ、誰も繰り返し唱え、血となり肉となり、行動の基準となりません。空虚なメッセージはむしろマイナスに働きます。
とても創造的なチャレンジが、パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの制定です。同業他社と同じような仕事をしていても、自社ならではの輝きもしくは行先はなにか?それが近い将来の企業力の差になっていくと考えたら、とても興奮しますね。アスピレーションを引き出しましょう。

勘定絵科目かるた 監修の先生が俳人賞受賞

ほんの少し前の話になりますが、本阿弥書店が発行する月刊誌『俳壇』が毎年公募する賞で、プロの専門俳人を発掘する登竜門として知られている俳壇賞があります。俳壇賞は一説には俳句界の芥川賞という方もいます。第39回俳壇賞は、市村栄理さんの「ブレス記号」(30句)が受賞しました。おめでとうございます。

実は市村栄理さんにはフィール・ソー・グッドで企画した「勘定絵科目かるた」のうたの監修をお願いしていました。会計を知り尽くした山田英裕氏のポイントを突きつつ茶目っ気ある和歌調のうたを正しい日本語の観点から監修いただき、自信もって世の中に発表することができました。この勘定絵科目かるたの宣伝活動はほとんどおこなっていませんが、最近は企業で購入されたり、会計の勉強をする際に活用したりということがあり、少しずつ浸透してきています。また、大学の会計学の授業で先生方に取り入れられ始めています。大学の会計の授業で初日に挫折した私としては、もっと前の高校時代にこの勘定絵科目かるたと出会っていたら、自分の人生もだいぶ変わっていたかもしれないと思います。会計、日本文学、アートのさまざまな要素が100枚の札に収まった勘定絵科目かるたは、いままで気がつくことのなかった面白さに出会います。出店したイベント会場で、会社では経理をされているお父さんが自分の子供にこのかるたの面白さを生き生きと話しかけている様子は、可能性しか感じない瞬間でした。

勘定絵科目かるたのサイトはこちらへ https://ekamokun.com/

ASPIRATION(アスピレーション)の話 Vol.8

4月は多くの企業で新入社員を迎え入れ、社長がスピーチをおこないます。私もかつて長く在籍していた大手広告会社では、なんとこの4月1日に社長のスピーチの中で「Aspiration」すなわち「内なる想い」を大事にして欲しいという言葉を伝えて、アスピレーションを持つことの大切さを説いています。それは会社のグローバルパーパスのひとつにもなっている大事なメッセージです。ASPIRATIONがこの会社のスピーチで使われたことに私は注目しています。なぜなら、今では当たり前に語られるSDG’sがまだ人々の言の葉にものぼらない頃に、その会社では社長がSDG’sという言葉を新入社員向けてスピーチで述べていたからです。時代の動きに敏感な企業は「Aspiration」に注目し直訳的な野望という言葉を使わずに「内なる想い」というメッセージに置き換えてコピーライティングをしていることに敬服します。
株式会社フィール・ソー・グッドではアスピレーション理論のバックボーンとなる哲学的な提起をまとめた冊子を翻訳したものを皆様に提供しています。すべての事業主やマーケティング担当者の心に刻みたい問題意識の源泉とヒントの入り口がここにある。ぜひ、SHOPサイトをお訪ねください。

※「SHOPサイト」のリンク https://feel-so-good.co.jp/product/leapfrogthinking/

伴走型マーケティングコンサルタントの役割

中堅企業、中小企業の事業主はよほどうまくいっている人以外は、いくつかの課題を抱えながらも周りには涼しい顔をして日々を乗り切っています。自分の感情を極力コントロールしながらも、自分の仕事については絶対のコミットがあっても、社内のメンバーだけでは成し遂げるのが簡単でないテーマがあります。それは能力が足りないからではなく、少しばかりの経験やノウハウを重ねる局面がそれまでなかっただけです。
フィール・ソー・グッドは、ブランディングやマーケティング手法をベースに企業の課題を最速で解決できるよう、事業主(クライアント)の方とともに伴走しながらプロジェクトを進めていきます。時にそれはマーケティングの領域を超えて組織的な改変や、事業領域の開拓にも広がります。では、コンサルタントの人は実際にどのような動き方をするのでしょうか。簡単にいくつかの特徴をお伝えします。

  1. 深い理解と共感
    • クライアントの業界や市場、企業文化、特有の課題を深く理解し、それに基づいて提案します。
    • クライアントの悩みや課題に真摯に共感し、「自分ごと」として捉える姿勢を示します。
  2. 具体的で実現可能な提案
    • 理論だけでなく、現場で実行可能なプランをアドバイスします。
    • クライアントのリソースや状況を考慮し、実践的な解決策を提示します。
  3. 迅速で柔軟な対応
    • 緊急の課題や変更に対して迅速に対応し、クライアントの不安を最小限にすることに努めます。
    • プロセスの途中でのフィードバックに柔軟に対応し、必要に応じて方向転換することも厭いません。
  4. 長期的な視点での支援
    • 短期的な成果だけでなく、中長期的な成長やブランド価値の向上を見据えたアプローチをします。
    • クライアントの成長を共に目指し、その成功を誇りに思えるよう伴走します。
  5. コミュニケーションの透明性と頻度
    • 定期的な進捗報告や状況の共有を行い、常に状況を把握できるようにします。
    • 課題やリスクについても率直に伝えることを心掛けることで、信頼関係を構築します。

そのような信頼できるコンサルタントと出会った時に「ケミストリーが合った」という表現があります。ケミストリー(Chemistry)は化学という意味の英語ですが、人間関係やチームの間での「相性が良く、お互いに良い影響を与える関係」という意味になります。19世紀頃から「chemistry」という言葉は、科学的な意味だけでなく、人間関係における「目に見えない相性」や「感覚的なつながり」を指す比喩として使われるようになったようです。良いコンサルタントとの出会いは、まず事業主の課題認識と面談から。良いケミストリーが生まれる予感がしたら、プロジェクトのスタートです。

【麻の衣 「帷子かたびら」の模造】          2024年9月21日~24日 於 弘道館

スポーツがあなたの会社を強くする

広告会社に勤務していた時には、企業のプロモーション活動でスポーツイベント運営をしたり、スポーツイベントの協賛を案内したりということもしてきました。今でもスポーツ団体のためにスポンサーシップ案内や企業とつなげることをしています。そのような経験をもとに企業サイドの視点に立ってスポーツとの取り組み方の可能性について講演をします。異業種交流会の中での講演ということもあり限られた時間でのお話になりますが、ご興味のある方は下記のリンクより詳細をご確認、お申込みください。2024年9月18日(水)19:00開始、場所は東京の曙橋です。

異業種交流会 横八会 2024年9月例会

さよなら、ネットサーフィン

ASPIRATION(アスピレーション)の話 Vol.7

企業のブランドづくりやマーケティングの方向性を決める際に、組織や個人にASPIRATION(アスピレーション)を持つことで、より強固な活動を推進することができます。企業が戦略策定においてASPIRATIONを利用した例をいくつか紹介します。

ディズニー:
ディズニーは「幸せを創造する」という共通目的(Common Purpose)を掲げており、これが全ての従業員の行動指針となっています。この明確なアスピレーションが、テーマパークからメディア事業に至るまで、顧客体験の一貫性を確保する原動力となっています​。

プロクター・アンド・ギャンブル(P&G):
P&Gは「戦略的選択のカスケード」というフレームワークを採用しました。これは、明確なアスピレーションを中心に据え、どこで競争し、どのように勝つかを具体的に決定するものです。このアプローチにより、P&Gは資源を効果的に配分し、長期的な目標を達成しました。

スキンケア企業:
あるスキンケア企業は、「世界で最も自然なスキンケア製品を提供するリーダーになる」というアスピレーションを設定しました。この目標を達成するために、自然素材の使用、研究開発への投資、製品ラインの拡充に焦点を当てました。インフルエンサーマーケティングやソーシャルメディアキャンペーンを活用し、顧客との強い繋がりを築きました。

空港の変革プロジェクト:
ある空港では、ディズニーからインスピレーションを受けた「コンパスモデル」を用いて顧客体験を変革しました。このプロジェクトでは、「世界最高の空港体験で全てのゲストを喜ばせ、価値を感じてもらう」という共通のアスピレーションを掲げ、さまざまな関係者の協力を得ました。これにより、従業員教育の強化や顧客接点の再設計などの取り組みが実施されました。

これらの例は、明確なASPIRATIONが戦略の方向性を示し、組織全体の努力を統一し、従業員を鼓舞して卓越した成果を達成するための重要な要素であることを示しています。人それぞれに個性があるように、企業にも個性があります。そのためどのようなASPIRATIONに向かって進むかを決めることは自社の個性を決めていくという影響力の強い源泉になります。

SWOT分析について

SWOT分析は1960年代にアメリカのスタンフォード大学の経営学者であるアルバート・ハンフリーが考案し、企業や組織の戦略策定や分析手法として広まりました。今では学術界や実務界での使用、教育での導入など広く浸透した技法です。組織の戦略策定、プロジェクトの立ち上げ、市場調査など、未来の方向性を決定する際に有効です。しかし、分析の際には、客観的な情報を得るために十分なデータ収集を行うことが重要です。また、SWOT分析はあくまで現状把握の手段であり、それだけで戦略を決定するのではなく、他の手法や情報と組み合わせて考えることが必要です。

SWOT分析は、組織やプロジェクトの戦略的な状況を評価するための枠組みです。SWOTはStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を取ったもので、それぞれの要素を分析して組織の現状を把握します。
メリットとして、①内部と外部の要因を包括的に評価できる ②組織の強みや弱みを明確に把握できる ③機会や脅威を発見し、戦略に組み込むことができる ということがあります。

画像のチャートは、SWOT分析を簡潔に1枚であらわすもので、それぞれの象限にプロジェクトのテーマとなっていることの要素を入れていくものです。プロジェクトメンバーの認識をそれぞれの象限にぶち込んでいくと、チーム内でモヤモヤしていたことが晴れていく気がします。とても便利で有効なツールです。

・Strengths(強み): 組織が持つ内部の利点や優位性。

・Weaknesses(弱み): 組織が持つ内部の不利な要素や課題。

・Opportunities(機会): 組織が利用できる外部の有利な状況や可能性。

・Threats(脅威): 組織に影響を及ぼす外部の不利な要素や危険性。

これからも、ビジネスの世界で使われ続ける分析ツールですね、きっと。

コンサルタントとの付き合い方

feel so goodは事業主へのコンサルタント業務、顧問業務をおこなっています。会社を飛躍させるために外部の智慧を導入したいが、どのようにしたらいいか戸惑っているという事業主は多くいらっしゃいますので、お声がけいただく前に簡単な心掛けをお伝えします。

【明確な目標設定】
コンサルタントとのプロジェクトを開始する前に、明確な目標を設定しましょう。何を達成したいのか、どのような成果を期待しているのかを明確にすることが重要です。

【オープンなコミュニケーション】
コミュニケーションは成功の鍵です。率直でオープンなコミュニケーションを心がけ、プロジェクトの進捗状況や課題について定期的にコンサルタントと共有しましょう。

【信頼関係の構築】
コンサルタントとの信頼関係を築くことは重要です。互いに信頼し合い、意見を尊重することで、より良い結果を生み出すことができます。

【フィードバックの提供】
プロジェクトの進行やコンサルタントの提案に対してフィードバックを提供しましょう。良い点や改善点を共有することで、プロセスを改善し、成果を最大化することができます。情報開示に不安なら、事前に守秘義務契約を取り交わしましょう。

【共同作業】
コンサルタントは専門知識を持っていますが、プロジェクトの成功にはクライアント側の協力も不可欠です。パートナーシップを築き、共同作業を行いましょう。

【契約の明確化】
プロジェクトのスコープ、費用、納期などの重要な条件を含む契約を明確化しましょう。予期せぬ問題を回避するためにも、契約内容を慎重に検討することが重要です。

これらのポイントを考慮しながら、コンサルタントとの付き合い方を構築していくと、プロジェクトの成功に近づいていきます。世の中には様々なコンサルタントがいます。本来は企業の可能性を引き上げるのが業務ですが、肩書ばかり先行する人や依頼者とのコミュニケーションが悪い人、ただ単に変な自称コンサルタントも散見します。依頼前に上記6点をあらかじめ熟慮することで依頼後のブレが少なくなります。コンサルタント依頼の相談はお問い合わせから「コンサルタント導入相談(無料)」と記入いただき送信ください。こちらから打合せ日調整メールをお送りします。

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