ASPIRATION(アスピレーション)の話 Vol.7
企業のブランドづくりやマーケティングの方向性を決める際に、組織や個人にASPIRATION(アスピレーション)を持つことで、より強固な活動を推進することができます。企業が戦略策定においてASPIRATIONを利用した例をいくつか紹介します。
ディズニー:
ディズニーは「幸せを創造する」という共通目的(Common Purpose)を掲げており、これが全ての従業員の行動指針となっています。この明確なアスピレーションが、テーマパークからメディア事業に至るまで、顧客体験の一貫性を確保する原動力となっています。
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G):
P&Gは「戦略的選択のカスケード」というフレームワークを採用しました。これは、明確なアスピレーションを中心に据え、どこで競争し、どのように勝つかを具体的に決定するものです。このアプローチにより、P&Gは資源を効果的に配分し、長期的な目標を達成しました。
スキンケア企業:
あるスキンケア企業は、「世界で最も自然なスキンケア製品を提供するリーダーになる」というアスピレーションを設定しました。この目標を達成するために、自然素材の使用、研究開発への投資、製品ラインの拡充に焦点を当てました。インフルエンサーマーケティングやソーシャルメディアキャンペーンを活用し、顧客との強い繋がりを築きました。
空港の変革プロジェクト:
ある空港では、ディズニーからインスピレーションを受けた「コンパスモデル」を用いて顧客体験を変革しました。このプロジェクトでは、「世界最高の空港体験で全てのゲストを喜ばせ、価値を感じてもらう」という共通のアスピレーションを掲げ、さまざまな関係者の協力を得ました。これにより、従業員教育の強化や顧客接点の再設計などの取り組みが実施されました。
これらの例は、明確なASPIRATIONが戦略の方向性を示し、組織全体の努力を統一し、従業員を鼓舞して卓越した成果を達成するための重要な要素であることを示しています。人それぞれに個性があるように、企業にも個性があります。そのためどのようなASPIRATIONに向かって進むかを決めることは自社の個性を決めていくという影響力の強い源泉になります。