パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー
私たちは、なぜ事業をしているのでしょう。あるいは、なぜ仕事をしているのでしょう。
「そりゃ、家族を養わなければならないし、お金が必要だから」、そんな答えをする経営層は現代においてはいないでしょう。社会の中で企業を存続し続けるためには利己的な主張ではなく多くの人々に共感をされ、ともに事業をおこなう仲間からは前進するための原動力となる理念を、事業体あるいは会社に求められるようになります。
そこで、経営者が会社の体裁を整えるひとつの手段としてパーパス・ミッション・ビジョン・バリューを明文化するということがあります。とてもいいことです。自社の顕在化できていなかった文化や考え方を、言葉を通じて多くの人と分かち合うのです。特に従業員には社長の意識を共有してもらい、社長のように考えて行動してもらいたいと考えることは経営者の本能であり願いでもあります。
その結果、パーパス・ミッション・ビジョン・バリューはどうなったでしょう。成熟した企業、多様化した社会や価値観の中で戦う企業ではなく、多くの一般企業(中堅企業・中小企業)のホームページを拝見すると、結構他社のものをコピーペーストしたのではないかと思うくらい似たようなことを述べています。これなら会社の文化をよく知らないAIでもすぐに書いてしまうような内容です。こんなものを作るのに時間とお金をかけてホームページで知らしめるのなら、歴代の社長が額にいれて壁に掲げていた「誠実」の方が、意義があるかもしれません。パーパス・ミッション・ビジョン・バリューが会社独自の意味と方向性を持たなければ、誰も繰り返し唱え、血となり肉となり、行動の基準となりません。空虚なメッセージはむしろマイナスに働きます。
とても創造的なチャレンジが、パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの制定です。同業他社と同じような仕事をしていても、自社ならではの輝きもしくは行先はなにか?それが近い将来の企業力の差になっていくと考えたら、とても興奮しますね。アスピレーションを引き出しましょう。