空家で民泊をする前に考えること


前回は空家を「宿泊施設として貸し出す」にあたって、大きく二つの方法、旅館業法の「簡易宿所営業」の許可取得、住宅宿泊事業法(民泊新法)に則っての届出、があることをお伝えしました。これを踏まえて今回は空家の立地や建物タイプ等での検討すべきポイントや注意点を見ていきます。
ご所有の空家はご家族や親類がかつて住んでいた住宅ですか?それとも小さい頃はよく使ってたけれど、大きくなってから足が遠のいた別荘ですか?このように住宅地にあるか別荘地にあるかで宿泊施設としてのコンセプト設定や集客戦略が違ってきます。
もし住宅地にあれば、そこを基点に近隣の都市を観光するための拠点に、別荘地であれば、周囲の風光明媚なエリアでの滞在自体を楽しむことが目的となります。
住宅地の場合、前回も述べたように先ず用途地域の確認をしましょう。住居専用地域以外の住居地域(第一種、第二種)、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域であれば問題ありません。次に建物の床面積を確認します。住居を宿泊施設として旅館業の許可を取るには、建築基準法上住居から旅館・ホテルへの用途変更が必要となりますが、200㎡以下であれば建築確認申請は不要となり、その分の手続の労力は減ることになります。もう一つ気をつけたいのが、周囲約100m以内に大学を除く学校、図書館、児童福祉施設、公園などがないか、です。あったとしても直ちに不許可になるわけではありませんが、教育環境を害する恐れがないか審査されます。これは自治体の条例等によって変わってきますので、事前に行政と相談することをおすすめします。そして住宅地で最も気をつけなければならないのが、周辺住民との共生ということになります。昨今民泊が嫌われ者のように採り上げられることが多いのは、ここの部分です。路上での煙草のポイ捨て、夜中まで騒ぐ、ゴミ捨てルールを守らないなど、宿泊者のマナーが悪いことが問題視されています。多くの部分は運営面で解決しなければならないのですが、法的にも自治体の条例によって事前説明や告知によって近隣周知を義務付けることが多くなってきています。
別荘地の場合でも基本的に旅館業許可という手続においては住宅地と変わりありません。ただし別荘地の性格上注意すべき点も変わってきます。住宅地で最初に確認すべきとした用途地域ですが、別荘地では適用されていないことが多いです。そもそも用途地域とは、都市計画区域内の市街化区域に定められるものです。そのため、自然豊かな別荘地は都市計画区域外であることが多いのです。また別荘地で100m以内に学校などの施設があることもあまり考えられないですよね。こう考えると別荘地は住宅地より縛りが緩いように思われるかもしれませんが、その別荘地が分譲別荘地で管理会社や管理主体がある場合、管理規約において宿泊施設などの営業行為を制限していることがあります。こうなると「業」として宿を運営することを諦めざるを得ないこととなります。十分ご注意ください。
次回は旅館業許可において先ず必要となる消防法令適合について解説します。乞うご期待!

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